迫真の氷結晶

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BIOSなVistaノートPCにUbuntuをインストールしてマルチブートする

BIOSなVistaノートPCにUbuntuをインストールしてマルチブートする

2019-08-06
  • #技術系

Linuxマシンが必要になったので、父のお古のWindows VistaマシンにUbuntuを入れてマルチブートせむとてするなり。

この記事で行っていることの概要と結果

  1. ターゲットマシン(Vista)のHDDに、Ubuntuを入れるのに十分な領域を確保する。
  2. (Windows Vistaで)Ubuntu 16.04のインストールUSBを作成する。
  3. 作成した起動可能インストールUSBをターゲットマシンで起動し、HDDにUbuntuをインストールする。
  4. ターゲットマシンがHDDから起動するとGRUB2の画面が現れて、起動するOSをWindows VistaかUbuntuかで選べるようになっている

インストール方法については主にUbuntu公式のチュートリアルを参考にしました。

目標

元からWIndows Vistaが入っているマシンのHDDにUbuntuを入れてマルチブートさせたい。

ターゲットのマシンについて

モデル: NEC LAVIE LL550/H (シリーズのうちのどれか) 2007年発売
OS: Windows Vista Home Premium
アーキテクチャ: x86(32bit)
RAM: 2GB
ストレージ: 100GB HDD TOSHIBA製
いわゆる旧BIOSでブートするシステム(非UEFI)

Ubuntuインストール先領域の確保

Ubuntuをインストールする領域を作るために、Windowsの「ディスクの管理」でHDDに空き領域を作ります。

今回はHDDの3つ目のパーティション(32.60GB)を選んで「ボリュームの削除」を実行しました。

ボリュームを削除したパーティションは「未割り当て領域」となりまっさらな領域として扱われるようになりました。

Delete a volume

Ubuntuインストーラー入りの起動可能USBメモリを作る

コンピューターに電源が入ったときに読み込ませる、Ubuntuのインストーラーが入った起動可能(ブータブル)なUSBメモリを作成します。

起動可能USBメモリを作成するためには、

  • UbuntuのISOイメージ
  • それをUSBメモリに実行可能形式で書き込むツール

の2つが必要になります。

UbuntuインストーラーISOイメージの入手

Ubuntu本体の種類やその入手方法は様々なので公式ホームページやコミュニティの情報を頼りに、最適なイメージをダウンロードするのがいいと思います。

今回は 32-bit PCへのインストールなので、32bit(i386)版のイメージをダウンロードする必要があったのですが、Ubuntuの32-bit版のイメージ配布は Ubuntu 16.04 までで打ち切りとなっており、 それ以降は64-bit版のみの配布となっていたため、32-bit版のある Ubuntu 16.04 LTS のデスクトップイメージをダウンロードしました。
http://releases.ubuntu.com/16.04/

インストーラーをUSBメモリに書き込むツール Rufus の入手

起動可能USBメモリを作るためのツールは様々あるようですが、今回は公式チュートリアルにもあるように Rufus というツールを使用することにしました。
Rufus

最新版の Rufus 3.6Windows Vista に非対応だったため、 Rufus 2.18 をダウンロードしました。

USBメモリにUbuntuを書き込む

Rufus を起動し、USBメモリを差し込み、使用するISOイメージを選択。

以下のような設定にしました。

Rufus screen

使ったUSBメモリが少し年季の入ったものだったので、不良ブロックの検出にチェックを入れています。

使っているRufusのバージョンが2なのでバージョンが3のものとは画面が違いますが、3を使う場合はUbuntu公式チュートリアルを見るのが確実です。

上の画面のまま「スタート」を押します。

すると以下のような画面が出ます。

Rufus confirms to download latest syslinux

必要なブートローダーを Rufus がダウンロードしてくれるようです。

「はい」を選択すると、また次のダイアログが現れます。

Rufus asks ISO mode or dd mode

公式チュートリアルによると、 ここではモードを変更せずにISOイメージモードのまま進むようです。

「OK」を選択。すると最終警告が出ます。

Rufus confirms to delete the drive

ここで「OK」を押すと書き込みが始まります。

数分から数十分ほど待っていると書き込みが終わるのですが、書き込み終了のサインが分かりづらいです。

書き込みが終わると、一瞬Windows標準のding音が鳴ると同時に、以下の画像のように、「準備完了」とか「READY」と表示されるのですが、そっけなさ過ぎて、下手をすると終了に気づかずもう一度書き込みボタンを押してしまいそうです。

Rufus finished

USBからUbuntuインストーラーを起動する

内臓HDDではなくUSBからプログラムを起動するには、BIOSの設定を書き換えて、HDDより先にUSBを読みこんでシステムを起動するように設定する必要があります。

BIOSの設定画面を開くには、コンピューターに電源を入れたときに、最初に表示される画面に記載のあるキーを押します。

Phoenix BIOS logo splash screen

今回の環境では F2 を押すとBIOS設定画面が開きました。

デバイスの起動順位を変えてUSBブートを有効にする

デバイスの起動順位を設定する画面を表示し、USBの起動順位を高く(数字を小さく)します。

HDDよりUSBの順位が高くなればOKですが、USBブートができなかったときにHDDからWindowsが起動してしまうと面倒だったので今回はUSB以外を起動しないように設定しました。

Select boot priority

また、USBブートさせるにはもう一つ大事な点があって、以下の画像のように「USBレガシー機能」を「使用する」に設定しておく必要があります。

enable USB legacy function

この機能が有効になっていないとUSBブートができません。

ubuntuのインストール

BIOS設定画面でUSBの起動順位とUSBレガシー機能の設定が完了したら、以下の画像のように設定の変更を保存してコンピューターを再起動します。

Save BIOS settings

すると画面に「ubuntu」の文字が現れ、しばらくすると以下のようなubuntuのインストーラーが現れました。

Ubuntu installer show up

この時点で既にトラックパッドが使えれば、音も鳴る。入れれば動く。さすがUbuntu。

言語を「日本語」にしてから「Ubuntuをインストール」を選びます。

すると以下の画像のような画面になり、インストールの種類を問われます。

Installation type selection

インストーラーはHDDにWIndows Vistaがいることを検出してくれているようです。かしこい。

ここで「UbuntuをWIndows Vistaとは別にインストール」を選択した状態で「インストール」を押してもおそらく問題ないですが、パーティションを分けたい・サイズをいじりたいと思って、ここでは「それ以外」を選択してみました。

用途に応じて領域を分割するとバックアップや復元に有利です。

select Something else

少し待つと、以下の画像のようにディスク領域を変更できるパーティショニングメニューが現れました。
partitioning menu

Rootパーティションの作成

/ (root) にマウントされるrootパーティションは、すべてのシステムファイル, 設定ファイル, ドキュメントなどが格納される必須の領域です。

マウントポイントを / に、サイズを 8108MB に、タイプを「論理パーティション」設定したrootパーティションを作成します。

rootパーティションのサイズですが、Ubuntuのコミュニティによると最低でも8GB必要で、15GB以上推奨とのことでした。 8108MB に特に深い意味はないです。

(実際に8GBのシステム領域で運用すると結構カツカツだったのでもう少しサイズを大きくしておけばよかったと後悔。)

create a root partition

実は一度基本パーティションとして作成してみたところ、残りの領域が変更不可能になってしまったので論理パーティションを選びました。MBR(Master Boot Record)のパーティションテーブルには4エントリしかないためでしょう。

Swap領域の作成

スワップ領域は物理メモリが足りなくなったときに物理メモリの内容を退避させておく領域です。

利用方法を「スワップ領域」に、タイプを「論理パーティション」に設定したスワップ領域用のパーティションを作成します。

スワップ領域のサイズはRAMのサイズに応じて設定します。

RAMのサイズが2GBから8GBまでの場合はRAMのサイズと同じ分だけスワップ領域を確保するのが良いといわれています。

今回はRAMが2GBなのでスワップ領域に2GB割り当てます。

create a swap partition

/boot パーティションの作成

/boot パーティションにはLinuxの起動に必要なファイル群が格納されます。

マウントポイントを /boot に、サイズを 364MB に、タイプを「論理パーティション」設定した/bootパーティションを作成します。

推奨サイズは250MBから1GBらしいです。 364MBに特に深い意味はないです。

create a boot partition

/home パーティションの作成

/home パーティションはユーザーのデータ領域で、ユーザーのデスクトップやダウンロードファイルなどが置かれる普通の領域です。

マウントポイントを /home に、サイズを 21000MB に、タイプを「論理パーティション」設定したhomeパーティションを作成します。

ここは自由な大きさで作って構いません。

create a home partition

最終的なパーティション割り

上記の操作の結果下の画像のようなパーティション割りになりました。

partitioning result

インストール開始

パーティションの編集が終わったら「インストール」ボタンを押すと以下のような確認のダイアログが出てきます。

conrirm to modify partitions

「続ける」を選択するとパーティションの変更がディスクに反映されて次のステップに進みます。

どこ住み?てかLINEやってる?

region selection

To↑kyo↓(リージョン)

キーボードレイアウト選択

最初から選択されていた「日本語」のキーボードがこの機種にマッチしていたので、不自由なく日本語入力が使えました。

keyboard layout selection

ユーザー情報入力

お好きなように。

user information form

ここで「続ける」を押すとインストールが始まります。

インストール開始

installing ubuntu
しばらく待つとインストールが完了して再起動を促すメッセージが出てきます。
reboot popup
「今すぐ再起動する」を押すとコンピューターが再起動するわけなんですが、BIOSの起動順位の設定でUSBの起動順位を優先したままなので、HDDから起動するように設定し直しておく必要があります。

起動順位をUSB優先からHDD優先に戻す

BIOSメニューから起動順位の設定画面を開き、HDDの起動順位をUSBより優先するように設定します。

これを行わないと再びUSBから起動、すなわち再びインストーラーが起動することになります。

change boot priority

HDDにインストールされたUbuntuの起動

BIOSの設定を保存してコンピューターを再起動します。

すると以下のような起動OS選択するGRUB2の画面が出てきました。

grub2 screen

Ubuntuをインストールした時にMBRにGRUB2がインストールされたようです。

元からあったWindows Vistaもここから起動できるようになっています。素晴らしい。

もたもたしてると自動的に「Ubuntu」が選択されてUbuntuの起動が始まりました。

ログイン画面が現れました。

ubuntu login screen

パスワードを入力したらデスクトップ画面が現れて工事完了です…!

ubuntu desktop

やったぜ。


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